黒木碁石店には、独自の基準で定められた「マスターストーン」があり、黒木碁石店の碁石(围棋子)作りにおける全ての作業の“基点”と言っても過言ではありません。
まず、新しい職人や選別士は、マスターストーンの習得から始まり、熟練した職人や選別士でさえも、毎日、毎回マスターストーンとの確認を怠る事を許されません。
マスターストーンに批准していない、安定感が無く手に違和感を覚える石は、規格外として厳しく取り除かれ、号数(厚味)に合わせた面腹共に均等のとれた丸み、手になじむ滑らかな感触、破損の確率を抑えた耳の厚味など、使い手が目、耳、指先全てで満足感を味わえる形のみが選び出されていきます。
規格外品
黒木碁石店では全ての碁石一つ一つを入念に検査し、下記のような形状の碁石は規格外品として、正規製品から取り除いています。
耳が薄い
耳の幅が1mm以下、またはまったく無いものは欠けやすい。
そろばん型
形がそろばんの玉のようになっているものは、不安定で欠けやすく、碁盤(棋盘)にキズがつきやすい。
耳元段差
面と腹の耳元が段になってしまったものは、手アカがつきやすく、見た目と手触りも悪い。
耳が厚い
耳の幅が1mm以上と広すぎるものは見た目が悪く、指にひっかかる感触があるため、違和感を感じる。
だんご型
全体的に丸みが強いものは、見た目も悪く、碁石特有の揺れが少ない。
返り
耳のふちが大きく飛び出しているものは欠けやすく、手触りが悪い
片耳
耳の幅が平行でなく、左右の厚薄の大きいものは欠けやすく、見た目も悪い。
片山
面と腹の山が均等でないものは、手触りが悪く、見た目も悪いうえに、安定感がない。
山の段差
面、または腹の頂点がおさえられ、平面になっているものは、手触りが悪く、手アカなどがつきやすい。見たても悪い上に、自然な丸みがないため碁石特有の揺れがない。
耳のくぼみ
耳の部分がくぼんでいるものは、くぼんた部部に手アカなどがつきやすく、欠けやすい。